支給拡大する遺族年金、でもそれだけで大丈夫?

保険
山中 伸枝
2014.02.27

国の年金制度には、3つの大切な役割があります。高齢者の生活保障(老齢年金)、障害者の生活保障(障害年金)、そしてもうひとつが大黒柱を失った家庭の保障(遺族年金)です。どれもこれも、大切な役割ですが、中でも遺族年金の仕組みが今年4月より改正されることになりました。

 

これまで小さなお子さんを抱えた未亡人については、子供が高校を卒業するまで国から遺族基礎年金が支給されていました。お子さんが一人なら、年間約100万円、二人なら年間約120万円と子供の人数によって支給額が加算されます。

 

遺族基礎年金は万が一の時に、子供の養育を助けるありがたい制度ですが、これまでは受給対象者が母子家庭のみでいわゆる父子家庭への支給はありませんでした。それでも昨今の共働き世帯の増加等を受け、今年4月からは父子家庭への支給も開始されることになりました。給付対象者の拡大、大きな前進ですね。

 

会社員の男性が亡くなった場合、奥さんは上記の遺族基礎年金の他に遺族厚生年金という上乗せ給付を一生涯受け取ります。この給付はご主人のそれまでの給与額、厚生年金加入期間等によって金額が異なります。会社員男性が亡くなっても、お子さんがいらっしゃらない御夫婦の場合、奥さんの年齢によっても支給される遺族厚生年金の受給期間が変わるなど、少し複雑な仕組みになっています。

 

また共働き世帯であっても、遺族厚生年金を受給できるのは原則奥さんのみで、会社員女性が亡くなってもご主人に年金を渡してあげることはできません。ご主人が遺族厚生年金を受け取れるのは、女性が亡くなった時ご主人が55歳以上でかつ受給開始は60歳からと制約があるからです。このように、遺族年金といっても、対象となる方の性別や年齢、そして職業によって国の保障内容は異なります。また、国の保障だけでは決して十分と言えない場合も多いため、民間の生命保険が必要になるのです。

 

今保険はネットで保険料を比較して加入するという方も増えているかと思いますが、大切なのは「安い保険に入る」ことではなく「役に立つ保険に入る」ことです。本当に必要な保険を知るには、我が家の場合、万が一の時に国の保障がいくらあり、遺族のその後の生活にいくら不足するのかどうかを的確に判断することが必要です。これから保険の新規加入あるいは保険の見直しを検討される場合は、国の遺族保障についてしっかり理解するまで十分説明をしてくれるアドバイザーに相談することをオススメします。

執筆者情報

山中 伸枝
株式会社アセット・アドバンテージ  代表取締役
心とお財布を幸せにする専門家 ライフプラン実現のための資産運用アドバイスが専門 テレビ、新聞、雑誌などメディアでも活躍
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